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  1. 親世代の年金生活のようにはいかない、まねできない理由
 

親世代の年金生活のようにはいかない、まねできない理由

2014/05/21

幸子(1970年7月生まれ)さんは、母良子さん(1940年6月生まれ)のように、育児が一段落したので仕事を再開しており、将来は旅行三昧のハッピーリタイアメントを夢見ています。

 

良子さんは、1940年5月生まれ。

160か月分の厚生年金と2年前に亡くなった父(1933年9月生まれ)の遺族厚生年金と自分の満額の基礎年金を受け取っており、手取りは、介護保険の保険料を差し引いて20万円程度(来年から後期高齢者になるため保険料負担あり)を受け取り、不自由なく暮らしています。


 

もし、幸子さんが母良子さんと同じ境遇を辿った場合、同程度の年金を受け取れるのでしょうか。

 

まず、母娘の生年月日に応じた経過的な取扱いなどについて、2014年度時点の法律に基づいて整理してみましょう。

年金額試算に際し、良子さんの平均的報酬の算出は、平成15年3月31日までの期間のみとし、平均標準報酬月額28万円とします。

 

生年月日 老齢基礎 老齢厚生 遺族厚生
良子(1940年5月)
夫(1933年9月)
振替加算額
139,400円
定額部分 読替
1.208
報酬比例 乗率
8.18/1000
60歳〜
定額部分+報酬比例
65歳〜
報酬比例+経過的加算
経過的寡婦加算額
302,300円
幸子(1970年7月)
夫(1963年10月)
  1.0 7.5/1000   報酬比例  

 

まず、大きな違いは、年金の受取開始年齢です。

母良子さんは、60歳から160か月分の厚生年金(674,400円)が受給できました。

65歳までの5年間の総額は、337万円余りになります。

幸子さんには60歳から5年間の年金はありません。

 

また、老齢厚生年金の計算で用いる報酬比例部分の乗率が、良子さんと比較すると約8%小さい数字になっているので、ざっくり言うと、他の数字が同じでも年金額は少なくなります。

老齢厚生年金を求める計算式=平均的な給与額×乗率×加入月数

 

さらに、母と娘のそれぞれの配偶者(夫)が30年以上厚生年金に加入し、受け取る年金額が同じだったと仮定した場合、良子さんには65歳から自分の振替加算額(139,400円)が加算された老齢基礎年金を受給しているのに対し、幸子さんには振替加算額の加算はありません。

 

さらに、夫が亡くなった場合ですが、夫の遺族厚生年金の範囲内で、自分の老齢厚生年金とその差額を遺族厚生年金として受け取ることになりますが、良子さんの場合は、遺族厚生年金に上乗せして経過的寡婦加算額(302,300円)が支給されます。

 

このように、経過的な加算額だけでも月額36,000円余りになり、例えば75歳からの15年間(75歳時点の女性の平均余命15.27年より)で660万円余りになります。

60歳からの5年間の年金と合わせて考えると、何と1,000万円も年金額が少なっていたのです。

 

しかし、生年月日によって将来受け取れる年金額に差があるのは、戦前生まれと戦後生まれを比較した時が顕著ですが、経過措置はやがて終息します。

そのため、法律改正により新たな経過措置が誕生した限り、同じ条件のもとでは、ほぼ同じ年金額を受け取れるようになるでしょう。