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  1. 【バーバラ石津のツキイチマネーレッスン】

【バーバラ石津のツキイチマネーレッスン】

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 ツキイチマネーレッスン
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あんしん未来マネー塾のバーバラ石津です。
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お送りいたします。
  ※やさためしろい=やさしく、ためになり、おもしろいの略

毎年この時期になると、「行く年くる年」をテーマにしたレポートや記事が目に入ってきますね。
皆様にとって、2015年はどんな年でしたか?
  *
今月もテリーさんからレポートが届いております。
2015年の総括と2016年の展望・・・。
今月も、じっくりと読み進めてくださいね。

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第18回 テリーの「やさためしろい経済」
【1年を振り返って
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どうも今年はあまりパッとしないまま終わりそうな感じですが、何もなかったというわけではありません。
先ずは簡単に今年を振り返り、その後で来年のことについて考えてみることにしましょう。

■2015年の回顧

原油価格の下落は日本にとっては大きな恩恵だったはずです。
しかし、その割に景気が明るさを増したという雰囲気はあまり広がりませんでした。
かなりの好天を予想していた私には意外な展開だったと告白しておきます(3月23日号ご参照)。

国内総生産(GDP)は4-6月に前期比でマイナスとなり、7-9月は改定値でプラスに浮上したものの、年率換算で1.0%。これでは回復感はないですね。
元気だったのは、中国人をはじめとする海外からの観光客の急増でにぎわったホテルや一部の小売店、それに中国人好みの商品を作っているいくつかのメーカーくらいでした。

我が業界もいま一つでした。
日経平均株価は12月18日現在で前年末に比べ9%弱のプラス。
なんとか上昇して終わりそうです。
ただ、6月につけた20868円から見ますとかなり下なので、尻すぼみ感が拭えない1年でもありました。
米国のダウ平均は4%ほどのマイナス。
為替レートも、対ドルでは非常に狭い範囲を行ったり来たりの年でした。
とはいえ、振り返れば実にいろいろなことがありました。

◆ギリシャ

このコーナーでもしばしば触れてきましたが、初夏のころにはギリシャ問題で市場は揺れました。
もうすっかりお忘れの方も多いと思います(私もです)。
結局、ギリシャが若干の譲歩をして、何だか知らいないうちに元のさやに納まってしまった格好です。
あの騒ぎはいったい何だったのだろうかという気もしますが、その渦中にあっては無視できない大きな不安要素でした。
ユーロの崩壊や銀行の取り付けの連鎖などといった事態に発展する可能性も、無いではありませんでしたから。
前にも書きましたが、ギリシャが抱える問題は、ほとんど何も解決していませんので、借りたカネを返す時期が来れば、また蒸し返されることでしょう。

◆中国の人民元切り下げと景気減速

ギリシャ問題が鎮静化すると、今度は中国の景気減速への懸念が世界の市場を揺るがせました。
日本株も腰折れし、以後の落ち込みを埋めきれないままです。

ギリシャは中国と違って経済規模が小さいので、ドイツあたりが手を差し伸べれば簡単に危機を封じ込めることが可能です。
要はやる気の問題、あるいは政治的な問題と言えます。
急性の症状が悪化した時に騒ぎが広がりますが、すぐに収まる性質のものです。
しかし中国は、そうはいきません。
何しろ世界第2位の経済大国でありかつ隣国ですから、日本経済に与える影響には絶大なものがあります。

8月の騒動の発端は人民元の切り下げでした。
切り下げ(正確には基準レートの決定方法の変更)には背景がいくつかあります。
そのうちSDR(特別引き出し権)というものの構成要素にうまいこと加えてもらった、という以外、経済環境の多くは当時と変わっておりません。
特に輸出競争力の低下は構造的であり、資本の逃避の流れも止まっていません。
このため、一旦は収まった元売りがまた再燃し、元はじりじりと値を下げています。
製造業に勢いがなく、不動産セクターでは不良債権も増えているようです。

ただ、経済成長率については、政府統計がでたらめだと言われている割に、実体とそれほど乖離しているわけでもない、ということも分かってきました。
膨大な数の国民がじわじわと豊かになっていますので、消費は総じて堅調です。
これが経済をしっかりと下支えしている姿は、習近平政権のもくろみ通りとも言えそうです。

中国は慢性病にかかってはいるものの、危機的というわけではありません。
高齢化して手足の敏捷性や筋力がやや衰え、動脈硬化も少し進んだかな、という程度の症状だと思っています。
勢いは弱いですが、まだまだ大丈夫でしょう。
来年は、少し景気のいい話が前面に出るような気がしています。

◆米国の金利引き上げ

今年の前半から市場で注目され続けた懸念材料の真打は米国の利上げです。
ただ、これについても、去る16日に政策金利の誘導目標を0.25%引き上げたことで、とりあえず一件落着しました。
株価はその日、「あ〜あ、やっと終わったか」とばかりに大幅高となりました。

元来、金利の上昇は株式市場にはマイナスですから、株価は下がることが多いのですが、今回は上がりました、とりあえず。
それは、逆説的ですが景気回復ピッチが弱いからでもあります。
米国の景気は回復しているものの、それほどべらぼうに強いわけではありません。
また、新興国を含めて、世界経済も全体的にダラダラしています。
そもそも、金利引き上げに最も期待されるのは、物価の上昇を抑えることにあるのですが、物価上昇率も今のところたいしたことはありません。

という次第で、利上げを続けるにしてもピッチは非常にゆっくりしたものになるだろうとかねてより予想されておりました。
利上げを決断した金融当局のコメントも、予想通り「ゆっくりやります」という内容だったので、株式投資家はすっかり安心した、というわけです。

とはいえ、なにしろ10年ぶりと言っていい久しぶりの利上げです。
安心ばかりはしていられません。


■2016年はどうなるのでしょう

さて、これから来年に向けてですが、景気はいまのようなダラダラした拡大が続くように思います。
日本は、原油価格の下落の恩恵をやはり来年も享受できるでしょう。
消費税率の引き上げが2017年4月の予定ですから、来年の今頃は、またぞろ駆け込み消費が盛り上がるかも知れません。

景気はそんなもんでしょうが、金融市場には、約束事でもあるかのように警戒要素がいくつか浮かび上がってきました。
それは、原油価格が下がり過ぎていることの弊害と、米国の金融緩和が長過ぎたことの副作用の二つです。
この点だけ、来年の注意事項として触れておきましょう。

◆原油値下がりの負の側面

原油価格の下落は、当たり前ですが産油国にとっては大いなる打撃です。
最大の産油国と言われているサウジアラビアは、生産コストも低いとされており、1バレル10ドル台でも採算が合うのだそうです。
問題は、国家財政のかなりの部分を原油の売却収入に依存していることです。
財政を均衡させるには、80ドル台が必要だとも言われており、今の30ドル台半ばの価格では、財政赤字垂れ流し状態なのです。

サウジの財政赤字は、IMF(国際通貨基金)の予測では2015年にGDP比で22%に達するようです。
2014年がわずか4%の赤字、2013年は5%の黒字、その前の2012年は12%もの黒字でしたから、それこそ坂道を転がり落ちる勢いです。
中東以外の産油国を見ましても、ロシアの採算悪化はサウジの比ではありませんし、ブラジルやマレーシアなども同じように財政の悪化が止まらない状況にあります。

産油国があまりにもひどい苦境に陥りますと、問題が起こります。
第一はデフォルト懸念です。
ロシアについてはこの噂がチラホラ聞かれるようになりました。

また、財政赤字を補てんするために、手持ちの海外資産を換金売りすること、つまりオイルマネーの逆流への警戒感も広がっています。
その影響は、すでに日本にも及んでいるかも知れません。
2015年は、これまでのところ海外投資家の株式売買が売り越し(売却の方が購入より多い)状況であります。
このままいくと2008年以来、7年ぶりに売り越しの1年となりそうです。

原油価格の先行き予想は難しいですが、仮に今の水準が続くだけでも、来年はこの問題がより大きくなると思っておいた方がいいでしょう。

◆金融緩和の副作用

金融を緩和して供給した資金のかなりの部分が資産の購入に向かってしまう、というのが近年の大きな問題です。
これだけ異次元とか非伝統的とか言われる金融緩和を行っても、日本経済も世界経済もなかなか力強さを取り戻せないでいます。

景気が良くならないので、中央銀行はどんどん資金を供給してきたのですが、そのおカネは、工場を作って機械を入れ、人を雇って物を作って売る、という生産活動に振り向けられるより、不動産や株式・債券という資産の購入に向いてしまっているのが現状です。
金利が低いのをいいことに、借金して投資する人たちも増えています。

金融緩和で資産価格は上がりましたが、資産の反対側には負債があるのが世の常です。
こうした負債は、投機的な投資家だけでなく、例えば新興国のまともな民間企業はもとより、政府でも膨らんでいます。

このように、金融緩和で負債が膨らんだまさに今、米国で利上げが始まりました。
そうなると、利息として払うべき金額が今後増えていく可能性があります。
それも問題ですが、もっと深刻な事態が起こり得ます。
それは、ドル高による返済負担の膨張です。

金利が高いか、またはこれから高くなる国の通貨を買う、という鉄則通り、ここ数年ドルは世界の多くの通貨に対して上昇してきました。
ドル建ての負債が増えているところにドルが上昇すると、大きな問題が起こります。
それは、自国通貨に換算した際の返済額が水膨れすることです。
例えば、1ドル100円の時に1万ドル借りると、手取りは100万円。
返済時にもし1ドル120円の円安になっていると、1万ドルは円にすれば120万円となります。
つまり、自国通貨安は実質的に対外負債を膨らませるのです。

この問題が顕在化するか、何とかうまくこなせるか、という点も、2016年の大きなかく乱要因になりそうな気がしています。


◆最後に

どの分野でも同じでしょうが、特に金融市場というところは、安閑とできる時などほとんどなく、いつも何かしら不安材料を抱えています。経済もまたしかり、です。
だからと言って、ただおびえ首をすぼませているわけには行きません。
インフルエンザがどれほど流行っていようとも、買い物に行かなければウィルスにやられる前に飢えにやられます。

平時には慎重を期し、危機に当たっては目を見開いて立ち向かっていくのが、ヒトというものでしょう。
と偉そうに言ってしまいましたが、私なんぞよりはるかに偉い人の、いまから110年前、つまり明治38年=1905年12月21日の言葉を記して、本年の締め括りにしたいと思います。
これは、日露戦争で海軍を指揮した東郷平八郎が連合艦隊の解散の辞として述べたもので、参謀だった秋山真之の作だろうと言われています。
最後の、もっとも有名なところだけ引用します。

「神明は唯平素の鍛練に力め、戦はずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安ずる者より直に之を奪ふ。古人曰く、勝て兜の緒を締めよと。」
いつ読んでも名文の香りがプンプンしてくる、とても好きな言葉です。

ではみなさま、良いお年を。

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