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  1. 【バーバラ石津のツキイチマネーレッスン】

【バーバラ石津のツキイチマネーレッスン】

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 ツキイチマネーレッスン
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あんしん未来マネー塾のバーバラ石津です。
「※やさため」メルマガ、ツキイチマネーレッスンを
お送りいたします。
  ※やさため=やさしく、ためになるの略


14日以降、熊本県を中心に大きな地震が相次いでいますが、
被災された方ならびに
ご家族の方に心よりお見舞い申し上げます。
まだ余震が続いており心休まる時もないかと思いますが、どうぞ心身ともご自愛くださいませ。
まだまだ当面の生活を考えることで精いっぱいな状況だと思いますが、
被災後の生活再建等に向けた情報がコンパクトにまとめられている冊子があります。
お役に立てるかもしれないと思いますので、紹介しておきますね。
日本FP協会の”災害に備える「くらしとお金の安心ブック」”です。
PDFはこちら→ http://www.jafp.or.jp/personal_finance/fresh/anshinbook/files/anshinbook_all.pdf

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私たちの日々の生活は、これからも続きます。
だからこそ、社会や経済環境の変化にもしなやかに対応して、安心して暮らしていきたいものですよね。
そのためには、やっぱり、ある程度の知識は必要です。
歴史から学べることは多いし、先人の知恵も貴重です。
そして、情報収集しましょう!ですが、氾濫する様々な情報の中から正しいものを見極めるチカラも鍛えて養ってくださいね。
そして、何よりも重要なのは、きちんと行動しておくこと!です。

ツキイチマネーレッスンのメルマガは、今回が最後になりました。
毎回タイムリーで経済を解かりやすくひも解いて教えてくれたテリーさんからのレポートは今回で最終回となりますが、やっぱり、長いです(笑;)
ゆっくり時間をかけて、じっくりお読み頂けれ幸いです。

これまでメルマガをご購読いただき、どうもありがとうございました!



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第22回 テリーの「やさため経済」
忘れちゃいけない新興国
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前回はマイナス金利のお話でした。
その後、ECB(欧州中央銀行)に対し、マイナス金利を「やめるべきだ」との批判がドイツから相次いだところ、英国の経済紙フィナンシャル・タイムズのチーフ・コメンテーターから、「マイナス金利になるほど景気が弱いのは、そもそもドイツのせいでもある。ECBを責めるのは筋違いだ」といった内容の痛烈な反批判がありまして・・・・という話にしようかなとも思ったのですが、込み入っていますのでやめにしました(笑)
今回は、弱々しい世界経済にあって、成長が鈍化したなどと言われながらもきちっと世界経済をけん引している新興国のことについて、書いてみることにします。
 
新興国と聞くと、どんなことが思い浮かぶでしょうか。
「BRICS」という言葉をご存知の方は少なくないと思います。
新興国は経済成長率が高いことや、その存在が世界の経済にとって重要さを増していることなどについても、耳にされることがあるでしょう。
 
ただ、その新興国も、リーマンショック後は成長率が鈍化し、なかにはブラジルのように成長率がマイナスに落ち込むところさえ出てくるようになりました。
最も影響力が大きい新興国は何と言っても中国です。測り方によっては米国を抜いて世界第一位の経済大国となりました。
12億を超える人口を抱え、経済規模も巨大で、かつ「四千年?の歴史」があるこの国のことを、今もって「新興」の国と呼ぶのも妙な話ではありますが、それはさておき、高い成長率を誇ってきたこの中国も、成長率の低下がなかなか止まりません。
不動産バブルの崩壊が警戒されたり、重厚長大型産業のリストラの話が政府から出たりするなど、ブラジルほどではないものの、期待より不安が語られることが多くなっています。
(ただし、直近では経済状態がいくらか改善してきたようです。)
 
世界経済の救世主の如くもてはやされた10年弱前に比べ、明らかに勢いが落ちた新興国ですが、では、このまま忘れられる存在になっていくのでしょうか。
結論から言えば、そんなことはないでしょう。
2000年代にやり過ぎた反動で少しお休みは必要でしょうし、まだ明るい話が満載とはいきませんが、誰も彼もが「冴えないなあ」と思っている時こそ、何かとチャンスでもあります。
 
 
■低空飛行が続く世界経済
 
前振りとして、先日発表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しについて簡単にまとめておきましょう。
世界のGDP成長率(実質値の前年比。以下同じ)の予想は、今年、来年と引き下げられ、3%台の下の方となっています。
4%以上が好景気の一応の目安とされていますので、「ひどくはないが冴えない」そんな状況続くという風に見られています。
 
日本の見通しは厳しく、2015年と2016年がともに+0.5%とすれすれプラスを維持するものの、2017年は▲0.1%とわずかながらマイナス成長が予想されています。
2017年のマイナス予想は、この年の4月に予定されている消費税率引き上げの影響が織り込まれているためです。
 
他の先進国を見ますと、米国は2016年が+2.4%、2017年が+2.5%、ユーロ圏は+1.5%と+1.6%、そして先進国全体では+1.9%と+2.0%です。
なんとか2%に届くかどうかという低成長が続く予想となっています。
 
これに対して新興国は、2015年が+4.0%、2016年は+4.1%、2017年は+4.6%と、いつも通りとはいえ先進国を上回る成長が続く見通しです。
ちょっと注目しておきたいのは、2016年から2017年にかけての成長率の変化で、先進国がほぼ横ばいなのに対して伸び率が高まっていくと見られています。
後で触れますが、ここは結構重要なポイントになりそうだと思っています。
 
 
■新興国の通貨と株価が売られた理由
 
昨年後半にかけて、新興国の通貨と株価はかなり売られました。
理由として挙げられたのは、米国の利上げ観測と、中国の景気減速です。
このうち、米国は12月に利上げしたのですが、その後、新興国の通貨や株価はむしろ総じて上昇しています。
いわゆる「悪材料出尽くし」といういつものパターンと捉える向きが多いようです。
 
ただし、ここで注意して頂きたいことがあります。
それは、新興国の通貨と株価の軟調は、米国の利上げ観測のはるか以前にすでに始まっていた、ということです。
米国FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長(当時)が量的緩和の終了を示唆したのは2013年5月のことでした。
新興国の通貨はそれを機に確かに大きく売られたのですが、直前のピークはその2年も前、2011年のことでした。
株価もほぼ同様で、先進国に比べて見劣りし始めたのは、さらにその前年の2010年のことです。
新興国の通貨と株価が不振続きだった理由は、こうして見ると米国の利上げだけとは言えないことが分かります。では何が真犯人だったのでしょうか。
 
この点について、IMFの今回の報告は、特集に当たる部分で新興国への資金の流出入の推移を詳しく分析しており、大変参考になります。
それによりますと、新興国の資金純流入(流入から流出を引いたネットの流入額)は2010年にピークを打ち、以後、一本調子に減少して、2015年にはついに純流出に転じました。
先ほど書いた株価や通貨のピークと時期がほぼ一致しますが、これは偶然ではありません。
資金純流入が減るということは、その通貨が買われなくなるということとですから、新興国通貨が弱かったのはむしろ当然と言えます。
 
【米国の利上げ観測のはるか前から新興国への資金流入はピークアウトしていた】
 
まずはこの事実を確認しておくことが大事で、意外にも見落とされてきたポイントです。
それとともに、あるいはそれ以上に重要なのは、なぜそうなったかという理由です。
2010年を境に、資金流入はなぜ細り始めたのでしょうか。
IMFが挙げているのは、新興国の成長率の鈍化です。
 
新興国と先進国のGDP成長率を並べると明らかなのですが、2010年をピークに新興国の成長率はじわじわ低下し、それほどは下がらなかった先進国に差を詰められていたことが分かります。
このことの意味は、「新興国への投資や融資は魅力を失っていった」ということです。
魅力を失った結果、先進国からの資金流入はピッチが落ち、逆に新興国の資金はより安全な先進国へと流出するようになっていった、ということが言えそうです。
 
 
■ではなぜ新興国の成長率は落ちたのか
 
新興国への資金の出入りが細った理由として、私は先進国側の事情をまず挙げるべきだと思っています。
きっかけは、やはりリーマンショックだったように思います。
先進国を中心とした金融の世界は、リーマンショックを経て「百年に一度」と呼ばれるほどの大ピンチに陥りました。
このため、金融システムを安全なものに作り直すため、危機防止策を含めて広範囲にわたる対策が考えられ、実行に移されてきました。
そこで打たれたいくつかの「手」が、新興国への資金の流れを細らせる原因になったと考えているのです。
 
例えば米国では、2010年に成立した金融安定化法をはじめとして、金融規制を強化する動きが続きました。
これにより、米国内で金融機関が調達したドル資金を新興国の債券に投資することが困難になる、といった事態が生まれました。
また、2010年以降、欧州ではギリシャ問題に端を発した銀行危機や政府債務問題が拡大しましたが、これも新興国には逆風となりました。
銀行は、金融当局から財務体質の強化を迫られ、貸出を減らす一方、安全とされる国債などに資金を振り替えました。
新興国向けの融資は大幅に削減され、場合によっては「貸しはがし」つまり、貸した金の返済を強く迫ることさえ広く行われたとされています。
 
このように、金融システムの健全化を目的に採られた様々な対策が、皮肉にも新興国にとってはマイナスに働いた可能性は大きいのです。
新興国経済とその通貨・株価の不調は、この影響を直接間接に受けた結果であると考えられます。
 
以上を簡単にまとめますと、金融システム改革の一環として貸出や投資に様々な規制や公的な圧力がかかり、先進国からの資金流入が細ったため、新興国の成長率が鈍化し、そのことが新興国への投資や融資の魅力を落としてさらに資金の流入が減った、ということだろうと思っています。
これぞまさしく悪循環、負のスパイラルです。
株式市場には「買うから上がる、上がるから買う」という有名な格言がありますが、新興国の通貨と株価は、その逆の「売るから下がる、下がるから売る」という悪循環に陥っていたのだろうと思います。
 
 
■変化の兆候
 
かれこれ5年以上も冴えない状況が続いた新興国の通貨と株価ですが、足元では、国によって多少の差はあるものの、概ねかなり堅調です。
その理由として言われているのは、先ほども少し触れた「悪材料出尽くし」です。
おそらくそれ以上に重要なのは、米国の利上げピッチが当初思っていたよりはるかにゆっくりしたものになりそうだという方向に市場の予想が変わったことが挙げられます。
原油価格をはじめとして資源価格が反発しているのを見ますと、米国の利上げ観測でドルを買い他の(あらゆる)物を売る、という動きが逆転し始めたということもあるでしょう。
「ポジションの巻戻し」と呼ばれる、短期投資家のとっさの行動がその典型です。
そうした面は確かにあるものの、それだけではない気もしています。
 
実際、資金が新興国に戻り始めた兆候が、あちこちで見え始めています。
例えば、IIF(国際金融協会)という機関によれば、新興国からの資金流出は2月に止まったようです(3月30日付け日本経済新聞朝刊)。
また、調査会社のEPFRは、3月末まで6週連続で新興国債券ファンドへの資金が純流入になったと発表しています(4月4日付けウォールストリートジャーナル電子版)。
 
最も売り込まれていた通貨の一つであるブラジル・レアルの急上昇について、余談になりますが念のため申し上げますと、この国の場合は、大統領が弾劾裁判にかけられ、それによって政権が変わるかもしれないという、なんとも入り組んだ期待によるこの国固有の反発という面が確かに強いです。
しかし、目を向けるべきなのは、ブラジルの特殊事情ではなく、ほぼすべての新興国で通貨も株価も底打ちし上昇に転じているという事実の方です。
まだ状況証拠に基づく直感の域を越えていませんが、短期投資家だけでなく、長期投資家の資金が動き始めた可能性を感じています。
 
先ほど、新興国への資金純流入が落ちたのは、経済成長率が先進国に追いつかれそうになってきたことが理由だとするIMFの分析をご紹介しました。
そうであるなら、新興国の通貨や株価が本格的に勢いを取り戻すためには、少なくとも先進国より成長率の見通しが良くなることが必要だ、ということになります。
その意味で、冒頭付近で触れた今後の成長率予想は、新興国にとって何かと明るい材料です。
そこで申し上げたのは、新興国の成長率は2016年、17年と盛り返し、特に2017年には先進国との差をかなり広げるということでした。
 
 
■打たれ強くなった新興国
 
もう一つ、今回のIMFの報告の中で注目したい点がありますので、最後に補足します。
IMFは、資金純流入の急激な落ち込みが過去に見られたような深刻な危機を引き起こしていないのはなぜなのか、言い換えれば、新興国が打たれ強くなった要因は何か、ということについての分析結果も披露しています。
 
新興国と言えば、経済基盤が脆弱なためにリスクも大きい地域である、というのが一般的なイメージだろうと思います。
実際、南米やアジア等で、これまで大きな通貨危機や金融危機が度々起こってきましたし、現在も危ない国がないわけではありません。
 
ただ、今回は、同規模の資金純流入の激減に見舞われた過去のケースと比べて、新興国で発生した危機は極めて少数に限られています。
確かに通貨が大きく売られた国は少なからず存在しますし、株価も結構下げました。しかし、大銀行がバタバタと潰れるとか、政府が財政破綻の瀬戸際に追い込まれたり対外債務の返済が大規模に滞ったり、といったことが今回は本当に少ないのです。
その理由としてIMFが挙げているのは、外貨準備高の増加、外貨建て債務の割合の減少、為替相場の柔軟性の向上、以上の三つです。
 
今回はもう十分に長すぎますので、それぞれについての詳しい説明は割愛しますが、要するに、過去の苦い経験がかなり生かされているということです。
勿論、新興国の全部が全部大丈夫というわけではありませんが、新興国も学びながら徐々に前進しているのは確かです。
 
 
■最後の最後に
 
IMFの直近データによれば、新興国が世界経済に占める割合は今やGDP(購買力平価。以下同じ)で見て57.6%に達しています。
中国の存在はやはり大きく、なんと17.1%に上っており、米国の15.8%を上回る存在となっています。
そのほか、インドも7.0%と日本の4.3%をすでに超えています。
アジアの新興国(中印を含む)を合計しますと30.6%で、世界の3割に達する大勢力となりました。
 
こうなると、世界経済を見ていくうえで新興国は到底無視できません。
日本だけ、米国だけ、先進国だけ見ていれば世の中が分かった時代は、とうの昔に終わったと考えるべきでしょう。
それと同時に、「新興国」と十羽ひとからげに評価するのも最早危険と言えます。
これからは、地域別や国別に丁寧な分析が必要になるでしょう。
 
新興国を巡っては、冒頭で書いたBRICSなどを中心として、2000年代初頭に大ブームが起こりました。
それが終わったすぐ後に、次の大ブームは通常起こらないものです。
少なくとも、大ブームが起こった同じ場所(テーマ)でまた同じブームが起きることはほとんどなく、次までは少々時間がかかると思った方がいいでしょう。
IMFの予想が仮に正しいとしても、新興国が目に見えて元気になるのは2017年以降のことです。それでもまだ早いかもしれません。
 
足元を見ますと、米国の利上げ、日欧のマイナス金利、世界的に弱々しい景気動向、落ち着かない原油市場など、不透明な要素が山盛りです。
間近に迫ったG7(5月)や、EU残留の是非を問う英国の国民投票(6月)なども、波乱要因になるかも知れません。
ただ、市場の上下変動をもたらすそうした要因だけでなく、5年先、10年先、20年先を見据え、世の中の大きなトレンドがどっちに向かっているか、ということにも注目しておくことが大切です。
経済の地殻変動をもたらしつつある新興国の重要性は、今後間違いなく一段と増すことでしょう。
たまにで結構ですので、その様子に目を向けて頂ければと思います。
 
 
■これがホントの最後に最後のご挨拶
 
さて、ほぼ2年前より、石津さんのご指名により月一回のご報告をさせて頂いて参りましたが、私自身の一身上の都合もあり、本号をもちまして執筆を満了させて頂くことになりました。
読者の皆様には、ダラダラと長いばかりの文章にお付き合い頂きまして、心から感謝申し上げます。
また何かの機会がありましたら、紙上でお目にかかることもあろうかと思います。
世の中は不景気で冴えないように見えますが、水面下では色々な変化もあるようです。
そのあたりのことをまたお話しできたら幸いです。
では皆様、お元気で。

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あんしん未来マネー塾 バーバラ石津
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